青い墓標/TAT
。その中に燃えるようなクローム緑があった。それがはじめて小さい白いさらの中で輝いたさまが、いまなお目に見えるようだ』
カリプソ・ベイビー
『ついにある日ほとんど無意識に、これまでのより強く私に話しかける一つの顔を仕上げた。それはあの娘の顔ではなかった。とっくにそうでないことになっていた。ある別な、非現実的なものだったが、貴重なことには変わりなかった。少女の顔というよりは、少年の頭のように見えた。髪は私のきれいな娘のような淡い金髪ではなく、赤みがかった色あいのトビ色だった。あごは強くしっかりしていて、口は赤く花を開いたようだった。全体はいくらかかたく、仮面のようだった
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