赤い墓標/TAT
までは、ここでがまんしなきゃなんねえ。しょうがねえんだ、レニー。なるたけ早く、ここから出て行こう。おれだって気持ちはおめえと同じだ。ここは気にいらねえよ」ジョージはテーブルに戻って、ひとり遊びのトランプの手を新しく並べはじめた。「そうとも。ここは気にいらねえ。二十五セントもありゃ、飛び出して行きてえぐれえだ。二ドルか三ドル手に入ったら、ここを出てアメリカ川をさかのぼり、砂金をとろう。あそこじゃ、たぶん日に二ドルぐれえはかせげるだろうし、ひとヤマ当てることもできるかもしれねえ」』
ドロップ
『カールソンは自分の寝床の下からカバンを引きずり出した。まだ壁に顔を向けたままのキ
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