永遠に消えてゆく/ホロウ・シカエルボク
蒼い夜に沈んだ
あなたの真意が
しんとした空気に濡れるころ
空にはいくつかの言葉が
亀裂のように浮かぶ
渡り鳥は平衡感覚を忘れ
目当ての星を見失う
それは人の為にあらず
だからこそ
祈りは切なるものとなる
祭壇には切り刻まれた神
滑らかに捌かれた天使たちが
もはや空っぽの目をして
ステンドグラスのギロチンでオブジェと化す
聖歌は逆回転で流れ
蝋燭は一瞬で燃え尽きることでしょう
外はいつしか嵐
巨大な獣の咆哮のような風
機銃掃射のような雨の音
身を低くして
窓を覗いてはなりません
それがどんな夢だろうと
現実にならないという保証はどこにもないのです
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