永遠に消えてゆく/ホロウ・シカエルボク
 

それに似た歌が選ばれてしまうのはどうして
階段を歩いていた数百年前の信者は
膝から絶えず血を流し続けていた
あなたはきっとそういうものを信仰と呼ぶだろう
わたしはしたり顔で指についた血をひとなめする
今夜だってきっと誰かが
都合のいい額縁の中に収まりたがっている
首の無い天使の亡骸は腐敗を始める
わたしはその臭いを嗅ぐことをきっと怖がっている
落雷の衝撃で聖堂は少し揺れる
聖堂の裏には、昔
薔薇を敷き詰めた庭がありました
しかしある日、わたしの叔父が
「臭いが鼻につく」と
すべて燃やしてしまいました
それだけでなく、彼は
そのまま火に巻かれてしまい
あれほど
[次のページ]
戻る   Point(2)