永遠に消えてゆく/ホロウ・シカエルボク
 
というように首を横に振るばかり
わたしは少し高いところにあるその席を
何とか眺めることが出来ないかと背伸びをするけれど
どんなに頑張ってもつむじすら認めることは出来ない

夜が
夜が
夜が
雨のかたちになって降りてくる
聖堂を飛び出して
その夜に触れようとするけれど
あらゆる扉を施錠したのは誰だろう
オルガンの音色に魅せられてはいけなかったのだ
風、雨、それと雷
撃ち抜かれる
人も、街も、夜も、なにもかも
わたしは自分の血が降り注いでいるような気になって
氷を抱いたかのように冷たい床に膝をつく

幸福は誰が決めた
不幸は誰が決めた
晴天のもと、豪雨のもと
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