不機嫌な朝(改訂)/ひだかたけし
 
溢れ出る悪意の
果実を丸ごと搾り切り

奥底から表層へ

 広がる原野 聳える岩峰

足元は見えずに
痕跡だけ
浮かび上がり
粉々に四散する
声の断片

不機嫌な朝に夕べを夢観て
終わりから逆算される日々
響きヒビキ冷え冷え覚醒し

(僕たちは瀑布に呑まれ
たまには気楽に
嫌なこと忘れて
大地にナイフを突き刺し
河と成り大洋へ至る)

 粉々に四散した声、

   五線譜を引き裂き
 
 溢れ出る悪意に

トドメを刺す



フリーズした画面
ゆるり柔らか解凍
微かな斜光の兆し、

 荘厳な夢の夕べ

真白く始動する。












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