黒曜の夢/レタス
林檎を探しているのですが、どうやって行けば良いか教えて頂けないでしょうか?」
「お前さん名はなんという?」
あれ… ぼくは名前を忘れてしまった
「名前がないのです…」
「ハハッ!ハハッ!この世に名前のないものなどあるか!」
「本当に名前が無いのです…」
「ほんとか? ならば教えてやろう お前さんのバッグの中を見よ」
バッグの中に紅い大きな林檎があった…
辺りはボウ〜っと霞み
薄明るくなっている
雀のさえずりが聴こえてきた
ふらりと立ち上がり
アイス珈琲を飲み 意識がハッキリすると
昨日買ってきた林檎がテーブルの上に転がっていた
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