いくはて 雨露の飾り/あらい
だろう、まったく
かえりみちに或る抜け裏は胎内の雨露の飾りだ
おぉ烏よ、
おすましの造形家のひとつと御亘せば
飴色に透ける聖杯に翡翠を残す
万別の澱はよすがに
藤の蔦に薔薇が絡まる
向日葵の傑作を育む土塊に
雪解け水よ! 上澄みよ!
真顔でいいながら
まざまざと、瞼の裏だろ、
おおげさに!
また、ずくずくと身なり
シカケ合致のかつての
夢を織る破れた扉の向こうを報せる
真鍮の坂道を疾走るカイナも下肢も虚ろ
うしろぐらい汗ばみが吹きさらしの風の
涼やかなさけびがなまくら葉を一燈にくぐらすのだ
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