たとえ曇天星邱/あらい
るそちら、枯れてなお美しくあろうと手を尽くしているあれら。空気に溺れている 安裸花(ヤスラカ)にありたかった
枯れ草も、老齢のススキも、嘯いた種も、薄く燐として繊月を扇いでいる。爆ぜるような風だけが嗚咽を経て、空だけが雨とほどく季節、たたらば。
アーモンドの花が一肢(シ)ずつ 増えては、のみ込まれて行く
丸くあった青海が、近づく旅に、誰かの落とし物を探し回る、
微温い風が、欠伸している、その奥地の、こちょこちょばなしを
うんちくな素肌が、ひととき、振り解いた熱を、また寄せ返す
波間にいきる、某がすべてと おとなしく響いていた――
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