夕方の夢/凍湖(とおこ)
 
夢のなかに
大好きだったおじいちゃんがいる
しずかにわたしを見つめている
なにかを言いたくて
なにも言えず
冬は皮膚がかたくなる

さみしさを大切に抱きしめて丸くなる
さむいよ
また毛布にくるまり
目をつむる

あの大きな背中に抱きついて眠った
小学生のころ
畳のあとを頬につけて
再放送の刑事ドラマをBGMに

おじいちゃんは「うらっ」とうっとおしそうにするけど
結局背中に貼りついたわたしをそのままに
お茶を飲んでいた
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