冬に透きとほり*/
ひだかたけし
冷え冷えと蒼い青い冬、すぐ澄んで
晴れ渡り続ける東京、何かさみしい
夜の、煌びやかなイルミネーション
キレイだけれども、中身はカラッポ
あゝもうただ突き抜けよう
あゝもうただ還っていこう
遠く途方もない
眼差しに
見据えられながら
未だ見据え返せず
ただ意識の
視界の透きとほり
眼差し次第に近づいて
明るむ視界の内底を打つ
ひんやり熱く内底を打つ
*『時 すきとほり』改作。
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