夜明け前/ミナト 螢
二本足で立っている間は人間だった
それなのに
うまくいかない事ばかり
ひざまづき頭を下げていたら
動物みたいに丸くなって
今いる場所を温めてるだけ
誰も触りに来なくても
体温があるから
その上に言葉を置いてって
光に繋がれた希望のように
笑顔の輪郭を描きたい
人を信じることを
ずっと怖いと思っていたけど
話せるうちに話したかった
泣けるうちに泣きたかった
色んな気持ちが混ざり合うと
宝石のようには光らない
夜に爪を立てて
剥がれたものが
一番星より近くにある
寂しさを飾る
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