詩想57◯意志というもの3/ひだかたけし
空無無人、
森影親しく
魂を逸脱して
森の深奥に澄み
現に在りて果たせぬ
果たし切れぬ残部抱え
色付き始める若芽の輝き
開き染める花々乙女眩しく
*
空無絶対、
森影貫き穿つ
死して又生きる
生きて又死しても
枯井戸より湧き出る
水流の透き通る静かさ
次第に激し不可視ヒビキ
開き染める花々乙女の
今生きる裸木の群れにて
初めて聴き取られるヒビキ
空無無人空無絶対、
十六夜の月に深まる
人生を果たし確か残る
残部を抱え持ち肉消えて
曙光のチカラ人ヒビキ貫き
雪嵐 凍結するワタシの脳髄、
曙光の力の貫き穿つ再生への意志。
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