鼠径ヘルニアのこと/板谷みきょう
方までには
帰れると云う
そして
朝、目覚めた時から
飲み食いせずに
クリニックに行く
心配して妻が
付いて来てくれた
手術が終わり
回復室のベッドに横たわるが
麻酔が効いていて
下半身の感覚が無い
時折、若い看護婦が
入れ替わりで血圧を測り
具合の良し悪しを聞き
尿意や排尿の有無と
掛け布団の下の
傷口の状態を観察して帰る
何回か繰り返されている内に
麻酔の効果が切れてきて
感覚が戻ってきたのが解ると
傷口がどうなっているのかが
気になり、そっと
点滴をして無い方の腕を
鼠径部に這わせた
軽くガーゼが当てられてる
・・・で
ボクは
ビックリしてしまった
今までに無い程に
激しく
一物が怒張している
感覚の無い中
術後から今まで
ずっと、こんな
状態だったのか
そのあと
観察に来る看護婦さんに
その都度
「すいません」と
謝ったのは言うまでもない
戻る 編 削 Point(1)