まどろみ/レタス
 

扉の外に出ると彼も地上に降りていた

「さて、そろそろ始めるか…」
彼は懐中時計をみてリューズを押した

ぼ〜んっ! ぼ〜んっ! と鐘が鳴ると辺りの時計たちが
コチコチと鳴り始め みな午前零時を示している

石化していた森は芽吹き若葉を茂らせていた

「ありがとう。ではワシはあの山の向こうに帰るから気を付けて帰りたまえ」
「はい。大した事ではありませんでしたから」

彼はいつの間にかマントを広げ風に乗って山の方へ飛んで行った

ふと… 気付くと
ぼくは文庫本を開いたままで公園のベンチに寄りかかっていた


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