ヒヨドリ/
本田憲嵩
葉をつけないで咲いている、昨年の晦日の晩から降りしきっている、しろい雪の華の、サクラの裸の枝に、ついばむ蕾をもとめてやって来たのか。つがいで雪の積もった枝に憩う、灰色のヒヨドリの、その鮮やかな色彩に彩られた、珍しくもなんとも微笑ましい元旦の朝。つがいでまたどこかの枝か空へとすぐさまに飛び立っていってしまった。それは永遠のなかの刹那?それとも刹那のなかの永遠?
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