ポエジーの茨/ホロウ・シカエルボク
 
きく、長く、しつこく続かなければならない、それは反響も手伝って違う響きを生み出していく、僕はその変容を残したくてキーボードに手をかける、濁流に飲まれ、上下左右の感覚を失い、あちらこちらを岩にぶつけて、傷ついたり欠損したりしながらやがて海へと放り出される、そうだ、静寂とうのはスケールの問題なのだ、ノイズは変わらず存在し続けている、でも、いつしかその羅列はスケールによって飲み込まれるのだ、僕は叫ぶ、生まれたばかりの羅列を、ディスプレイに刻まれたそいつらはまだ何かを求めている、それは生命の振動だ、僕だって同じことさ、僕は叫ぶことでそいつを心臓にレコードする、心臓は僕の振動で激しく跳ね回る、いいぞ、静寂は僕の手で生まれ変わる、さあ、ここにおいで、僕は解体されて羅列の中に散らばる、その血を拭ってくれるのは誰だろう、そいつをゴミ箱に投げ込んでくれるのは誰だろう?気が進まないなら放っといてくれりゃいいさ、腐敗が始まったところで記念写真の一枚でも撮っておいておくれよ、いつか僕がそれを目にすることだって絶対に無いとは言えないんだから。


戻る   Point(1)