インスタントコーヒー/
リリー
しで
口だけが元気 やがて
過度のストレスに苛まれる彼女の選択は
母親の選択でもあったのだろう
兄弟達も もはや互い正面切って想いを伝える事を
しなかったのかもしれない
反対する者はいなかった
窓に吊るされるレース一枚
ぼやけて映る 街の灯
天井から伝い聞こえる生活音に
二人ふと 言葉失い
啜るコーヒー、
カップの温もりだけが胸に沁みてきたのだ
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