青空とレモネード?/朧月夜
 
はこの子を信頼していないのだろうか」と、僕は心の中で迷う。

 あるいは、僕にとっても君は「お客さん」なのかもしれなかった。君が自分のスペースを持つようになれば、僕はその場のデザインを手がけることになるかもしれない。そんなことも、決してないとは言い切れないような気がした。

 僕が、君の精神の世界にまで踏み込んで君を見ていなかったことは、今から思えば残酷なことだったと思う。そのことを僕は悔いているわけではない。ただ、もう少し違った出会いであったら、と思う。もし僕自身も画家だったら? そんなことはあり得なかったが、僕は君に対してある種の同胞意識、仲間意識のようなものを感じていた。

 そ
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