青空とレモネード?/朧月夜
 


*レモネード3


 僕が君と出会った日にも、僕は自分の部屋に帰ってきてレモネードを飲んだ。今ではしっかりとスクイーザーも用意してある。そして、ベッドに横になる。その時ふと、僕はあることに思い当たった。

(お互いの名前を聞いていなかった)

 ということだ。

(こんなことは芸術家の世界ではよくあることなんだろうか?)

 と、僕は悩む。

(僕は余白……。僕は彼女にとっての余白だったのだろうか)

 しかし、僕は君にとっての余白ではなかったらしい。というのは、2度目に君に会った時にも、君は僕のことを覚えていたからだ。

 運命がそう決めたのだろう
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