合成写真と判明した囚われの宇宙人/板谷みきょう
慌ただしい年の瀬に
同行支援の依頼がきた
入院先は山裾にある個人病院だったはずが
いつのまにか医療法人化されて
有料駐車場付きの
大きな心臓循環器疾患専門の病院となっていた
四十歳代の男性の入院準備をして
手続きを済ませ
玄関口を通過した時に
足を引き摺るように歩くボクの様を見て
総合案内窓口の女性が
「大丈夫ですか?」と声を掛けてきた
今年に入って上下肢の痺れや
痛みに悩まされ続けて
数年前から通院していた
整形外科で
腰椎と頸椎のヘルニアと
両膝の半月板損傷の悪化を
指摘され手術を勧められていたのだもの
「ありがとうございます。」と答えて
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