okaeri.com 61-70/AB(なかほど)
そのなだらかな 坂 の
おりても のぼっても やがて
おんぎゃあ って 聞こえる の
誰もの昼を飲み込んで溶かして 初めて
夜というものになったのだということを
寝顔の君に
岬の先にある桜にはじめて側に寄ってみて
藤の蔓が強く絡まっているのを見ていたら
随分と頑張ってきたねと逆に言われてしまった
僕らは先生のことは案外好きだったのかもし
れない。それから先生、車の給油口を壊した
のは僕達じゃありません。
自分とこのシャワーの水圧と排水の音は
あまりにも間抜けていて
明日、田舎の母に電話しようと思っ
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