音楽と精霊たち?/おぼろん
 
4.退屈な仕事


 結局、葉子が次に就いたのはやはり退屈な仕事だった。中学校の非常勤講師。それを選び取るのにも数カ月かかった。弟は姉が再び音楽の仕事に就けることを喜んだ。ただし、葉子にとっては素直に喜べないものがある。

 たいていの大学では、学校の教職員になるためのコースが用意されている。「学校の先生になる」ということは、就職に失敗した時のための非常線のようなものだった。もし、プロの音楽家としての道に精通出来なくても、学校の教師になれば食べるのに困ることはない。多くの学生たちはそんな風に考える。それは葉子も同じだった。

 ただし、葉子の場合は教師陣の覚えもめでたかったせ
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