零/
ただのみきや
は自分の子ではない何の責任も持たない
他人のこどもたちのかわいらしさを
こうして遠くから眺めて楽しんでいる
さみしさやかなしさ 自分の中の悲哀の祭壇を
あざやかに灯して引き立ててくれる
こんな光景をまぶたで噛みしめて
黄連雀
小鳥の鼓動を聞く
目をつむり見つめ
かき消すように殷々と
沈黙にふさわしい
手袋もないまま
片言のパンを分け合った
ひとの鼓動
指先を焼いた円い釦
雪の中に活けられた死
皮も声も透けて
(2023年12月17日)
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