産み辺のカルマ/平井容子
じがしない、そんな男の子。
その夜誘ったのはフカだった。
仕事で疲れきっていたので「男と行けよ、」と言ったら、「別れたんだよね」と妙に明るい調子で返すから出てくるしかなくなったのだった。
案の定20:00の待ち合わせの時点で酔っぱらって妙にうるさいし、酔いざましに初台まで歩こうと言ったのに、フカはコンビニでビールを買って歩きながらまた飲んだ。
結局、初台のアパートに疲れと酔いでヨレヨレになって着いた足でそのままベッドになだれ込む。
歩いていたときは飲んでいたし気づかなかったけれど爪先から頭の先までしんしんと冷えていた。布団の冷たさが拍車をかけ、とにかく二人で抱き合い脚を絡ませてな
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