腹じゃないものが飢えてる/ホロウ・シカエルボク
のラップトップに潜む神が言った、でもそいつはとんでも面倒臭い作業なんだ、黒焦げになったフライパンの中を全て片付けて綺麗に洗った、水気を拭き取って火に翳し新しい油を引いた、今度はきちんと作って食べるつもりだった、新しいことを始めるには種類の違う体力が必要なのだ、精神を集中してハムエッグを焼いた、詩とはハムエッグみたいなものだ、誰でも同じように作ることが出来る、でも本当に美味いものを作るにはほんの数十秒の判断を間違えないことが大事なのだ、今日はまずまずだった、誰かが家に訪ねて来るならふるまってやってもいいくらいの出来だった、家に誰かが訪ねてきたことなどここ数年で数回しかないけどね、鼠達が天井裏や壁の中
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