腹じゃないものが飢えてる/ホロウ・シカエルボク
表皮を焼くような冬の陽射しの下で蛇玉のようにうろついた焦燥は冷蔵庫の中で鎮魂歌を求める、その下の段で賞味期限を数日過ぎたグラタンが世界を呪いながら変色していく、何も食べたくないと思いながらボ・ディドリー、マガジンの片隅にはポール・ウェラーのニュース、羽虫の死骸でいっぱいの電灯の傘は部屋中に取るに足らない死のコラージュをぶちまける、まるでバラバラになった単語帳みたいだ、ひとつひとつの意味は維持出来てもそれ以上どこにも繋がりはしない、ハムエッグを焼いていたことを忘れたまま数時間が過ぎていた、近頃の換気扇と家庭用コンロの性能には感謝せざるを得ない、これが数十年前ならとっくに消炭になっていたはずさ、も
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