縁(えにし)/涙(ルイ)
保育園に通っていた頃
クラスのある女子から 毎日つねられてて
ひとは笑いながら意地の悪いことをすると教えられた
好きだった男の子からは
思えば思われるというのは嘘っぱちだと教えられた
年中さんのときの先生からは
大人はその日の気分で生きてることを教えられた
小2のとき 扁桃腺の手術で入院したとき
同室の患者に感じの悪い女がひとりいて
なんであんなにもあたしにつっかかってきたのか
いまもって 不思議で仕方がないのだけど
術前の深夜0時に水を飲ませにくるはずの看護婦は
とうとう朝になってもやってこなかった
はじめての手術で緊張して一睡も
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