ritual/医ヰ嶋蠱毒
 
攣する犬の眼球を聳える鉄塔の天辺に据え
脳殻を浸す白濁した満月の体液を攪拌し撒布せよ

砂漠の痘痕に播種された柔かい狂気の核が芽吹く頃
蟒蛇のかたちで生き餌を喰らい、嬰児の眸へ灌ぐ毒の苦味が
放埓な裸體の雛型に似ている

「あくまでも鋭利に」

匣を披く蒼褪めた膚の少女が纏う黒いエナメルの外套は
防腐処理を施された屍の唇へ静かに接吻する深夜のように美しい

墓碑の裏に潜み血を啜る恐ろしい獣
狩人が刎ねた彼の悍ましい頭蓋を祭壇に掲げ神の名を呼ぶ

「メネ、メネ、テケル、ウ、パルシン」

極彩色の淋巴管へ接続する老い曝えた錬金術師の視る悪夢
十三番目の人造人間が大理
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