歳末特別セール/涙(ルイ)
 
紅葉みたいな 油絵具みたいな色でも
真冬の世界一面を染めるような真っ白でも
もちろん無彩色でさえない


いっそのこと何の色も持たない
無色透明であったなら
どんなに楽だったか知れやしない


私は知っている
あの人がキライな色を知っている
あの人は絶対に私を選ばない
たとえ天地がひっくり返っても
たとえこの世に私と二人だけになったとしても
私は知っている
あの人が私を嫌っていることを






私は知っている






戻る   Point(2)