やみまつり/いとう
帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない
孤独とは
つながらないことではなく
むしろつながりの中に顕れる
かそやかに流れる電流の
一瞬の並列のようにこれは
痛みと名付けられる
さよならを知らない
別離は心の中で生まれる
だからさよならを知らない
地平の彼方で見えなくなる姿
あれは、わたしだ
わたしと呼ばれるものだ
だから知らない
知ることができない
留まる姿に似せて
ときどき嘘をついてみる
それこそが真実なのかもしれないと
肌が震えても
信じてはいけない
疑ってもいけない
そこには何もない
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