gastronome 31-40/AB(なかほど)
 
 
そんなことありえないって言いながら
しゃがんで花火をするローライズの腰から
見えちゃってる果汁100%
 
 
 
東京にもこんなに静かな夜の場所があったの
という思いが油っぽい湯気に捲かれると
たまらず あ と声が漏れた
 
 
 
今度死ぬときゃ 蟻さん
栗の入った羊羹の裏だといいね
こんな軍靴の裏でなく
 
 
 
おもいでは壁の隙間静かに消えた夜
十二時すぎのひときれ静かに肥えた夜
いくら側にいても静かに凍えた夜
 
 
 
一冊の詩集を手にしている君よりよっぽど
今くしゃくしゃになって
鼻をすすりながら蕎麦をすする君のほうが
 
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