めぐる季節にドライヴィン・ローリン・クリスマス/菊西 夕座
ちぎれたカー店はロールしながらわたしを包み、そのままタイヤになって走った。
新妻のウィンターは凍りついたフローリングで容赦なくタイヤをすべらせ歓迎してくれた。
狂喜のドライブインは愛にまみれた純白の床を高速でめぐる季節のようにローリングした。
そのうちに磨きぬかれた氷の表面をスリップして窓をつきやぶり店の外へとダイブイン。
湖沼にずぶずぶとしずみこむ車にゴールインして春がくるまでカー店にくるまろうとした。
春が車で待てなかった相棒は白樺の罪をモミけすかわりにクリスマスツリーにしたてると、
カーテンの穴からワカサギでも釣らせるように店頭に吊らせてぴっかぴカーに飾り立てた。
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