蜜柑ふたつ/
ただのみきや
ず
目利きのように歴史のガラクタから
錆びない一本の釘を見つけ出せ
そうして何事もなかったかのように
一方向へ怒涛の如く流れ出す人の群れを
酔いどれのステップですり抜けながら
かつて釘が打たれた所
唯一無二の痛点を求めて
燃え上がるその日その瞬間まで
からから笑うあんなしゃれこうべ
時のかざぐるまなど目の縁に追いやったまま
(2023年11月26日)
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