未知/ひだかたけし
 
仄かに明るいこの冬日
雪は遠くで降っていて
陶然と一陽に木霊する

数千数億の銀河の渦が
降ってくるよなこの今に、

 艶めく若芽の燃え出づる

未知なる時を紡ぎ出し
感覚を越えてゆく

  *

憧れ、郷愁、予感の
余韻の奥処に輝くもの

わたしが私であって
私ですらあらぬもの

未知が胸奥から押し寄せる
未来から過去へと遡行しつつ

 溢れ流れ感覚を超え

この瞬間 この意識に、この私に
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