海螺珠の心臓/あらい
き
月経の紅葉 (エロスは博打を好まない)
ひらかない、またのくせにこちらを見つめている
腸詰めの桜 (ぴかれすくろまん)
しめつけ。ちぐる。なんにもならけて、斑(フ)く
金木犀の中絶(ぎらぎらとした、ちんば)
おばけよりおそろしいもの 顔を歪めた星譚
祈りも殺した季節を躯で憶えている
反転した砂時計を製糸する
烙印の在り処は鼻歌に重ねる
海螺珠(コンクパール)の心臓/シルエットは騙(かた)る
たとえば、裏庭の 屋根裏
かさぶたのうみは砂嵐がなかった
あと、空腹のさなかにあって、
でたらめの十五夜に夢見て、
また、ささばたけの雪女はとおくなる
ながかった 老婆の屍
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