陽の埋葬/田中宏輔
岩隠れ、永遠(とは)に天陰(ひし)けし岩の下蔭に、
──傴僂(せむし)の華が咲いてゐた。
華瓣(はなびら)は手、半ば展(ひら)かれた屍骨(しびと)の手の象(かたち)、
──手の象(かたち)に揺らめく鬼火のやうな蒼白い光。
根は荊髪(おどろがみ)、指先にからみつく屍骨(しびと)の髪の毛、
──土塊(つちくれ)に混じつて零れ落ちる無数の土蜘蛛たち。
芬々(ふんぷん)とむせる甘い馨(かを)り、手燭(てしよく)の中に浮かび上がる土蜘蛛の巣、
──巣袋の傍らに横たはる土竜(もぐら)の{ルビ屍=
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