詩想36/ひだかたけし
 
宙空の水の色、
無限のひろがり

それぞれの人生を抱え
街行く人、人、人

無限のひろがり
その微妙に震え降る

誰一人気付く者無く

  *

殺し合い続く、
この世界に

宙空の水の色、
無限のひろがり

街行く人、人、人
それぞれの人生を抱え

見上げ気付く者 誰一人無く

いつ火は放たれるのか
点火の時は何時か

未来未知から流れ来る
時流を憧憬と郷愁が呼び寄せ
この束の間の意識の自由、
泳いで泳いで無限のひろがり

ああ この内鳴る世界と外鳴る世界、
ただただよそよそしく矛盾を生きて在り

高みへ深みへ 誘われ意志し息継ぎ生きながら



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