メトロ/ミナト 螢
イヤフォンの中は爆音だけど
誰も怪我をしないから好きだ
自分と他人の世界に
柔らかい線を引きながら
朝も昼も夜も
心を工事している
トンネルが暗くても
音楽を聴きながら
光を受け取るような
僕の目は優しく見えるだろう
内側に作られた窓でさえ
僕の全てを映すことは出来なくて
その不完全な姿で
どこかへ行きたくなるんだ
予定の裏側で閃いた時間に
振り回されて
地図のようなガムを噛んで
何もなくなっちゃうくらい
本当は歩いていたいのに
逆らえない現実を
知っている限り
僕は自由を探したくなる
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