詩人はいつも美しい/家畜人
 
い 詩を書く
目は美しい 詩を見る
口は美しい 詩をうたって 
うたって 今日も
どぼどぼ 己の陰惨な生活の 血をはくのです
かわいい  かわいい あおじろい 病人は
いつも詩人です




あぁ 詩人というものはいつもうつくしい
うつくしい ひろびろとした
海なのです
海の青なのです!



       追詩


 
    『もはや 私の世界は常人の生活に穢され
      私の白鳥は湖の鏡から 飛び立つ!
       言葉の暗黒は乱れ狂い
        天体の端で三日月のパイプをくゆらしている!』



〈今日も、淋しい、陰惨な、生活が始まりました。私は白鳥の夢を見、醒め、暗黒に窓が湿っているのを、見ます。あぁ、三日月がパイプを吹かし、今、暗黒の中に、私の小さな情緒が、水面を蹴って飛び立ちました。あぁ、哀れな詩人はいつも病んで美しいのです。いつの世も、詩人というものは、ひろびろとした海のよう、美しいのです〉



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