くちからしたむ/あらい
 
    もう新月、深淵を除いただけ、欠片もない
         咲守、大嵐の後 朝光 柊の花と霜
         稀に出逢うから 蘇芳 に思い馳せ


岩魚が山猫に喰われるのを、蚤は知らないだろう
     
じたばたと永くこわれた
みすぼらしい入り口から出口へ
わたしへの帰途(かえりみち)、
不安ささやかに滾り頭から離れない舞いに
未来(このさき)の夢というはなしは、つまり
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