この夜の断章/ひだかたけし
静謐の夜を穿つ
透明な明滅、
哀しみ苦の在る処を示し
沸き立ち 立ち消え 沸き立ち
無常の相、
冷える夜底をひっそり
移動していく影
根なし草 根付く
一握の目的落とし込み
未来未知から流れ来る
時の新たに歩み入る、
生まれゆくもの消えゆくもの
それらそれらの果てなき循環
永劫に想われる螺旋を描き、
朽ちて創られ爆発し
神の道の終わりにて
肉の感覚の世界に射し込む、
ひたすら言の葉 ヒビキ 人の光
我を実感し意識スル肉の脳髄の器官介し。
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