sayonara.com 31-40/AB(なかほど)
わかったよ
本当はもうとっくに思い出してるよ
差し出された干し柿はとても甘く
ギルー ギルー
僕はもう誰にも呼ばれないよ
アンダクェーとキジムナーは山原に消えたよ
パンドラパンドラって言いながら
ただ笑っていただけのあの日々に
手の届かない夢なんてなかった
変わってない景色などなにひとつないけれど
なにひとつ変わらなかった思いが
今、静かに散っている
君の街に雪が降っていることなんか知らない
それが君の心を優しく包み込むだろう
なんて思わない
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