五行歌、常 鳴き夜に/ひだかたけし
 
溜め息の
ふぅとふぅ耐え
病の苦、
夜な夜な冷たし
近づく 冬のヒビキ


肉の魂の静観にて
営み一体化する
瞬間、無名の記述
確か内なる霊性に触れ
ああ と頷くオノレ在り


救急車、
踏み切り向こう待機し
医学病棟という冬より冷
イズレ運ばれゆく身なら
この白い小部屋煮て熱帯び宇宙へ還れ

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