silence/ミナト 螢
吐く息の白さで
秒針が溶けてしまいそうな朝
そうなったら
きっと今よりもゆっくりと
呼吸が出来るはず
窓の外を眺めながら
あなたのことを考えたり
意識だけなら
高く飛べるから
この部屋に天井はない
不思議だね
世界にはこんな風に
透明な線が泳いでいる
見えるかな
カフェオレの向こうで
揺れている光の中に
あなたの左手と私の右手が
冷たい空気を温めるまでは
ずっと冬が続いて欲しい
ひとりの時間も
ふたりの時間も
毛糸で編めるように
真っ直ぐな道を
歩いて行こう
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