okaeri.com 21-30/AB(なかほど)
 
あ、という音には 
いたたまれなくなって、走る
 
 
 
僕は腕を広げ抱き締めるように蹲り
僕の港はここなんだ
と言い聞かせた
 
 
 
アンシェー アンシェー マタヤー サイ
アンシェー アンシェー マタヤー サイ
帰る場所がもうこの島じゃなくても
 
 
 
琴座の一辺を二倍伸ばした線上に
糸切りを持った君がいて
約束と言いながら弦を張り替えている
 
 
 
 
ひぐらしの こえ
かげろうの はね
おばさんの かげ
うたたねの ねこ

 
 
 
 
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