腰痛の懐妊とそれをすこしでも緩和するための詩/菊西 夕座
 
下半と上半をつなぎとめているのは腰の骨
(やれやれ腰がついに口をききはじめた)
つまりは天と地の神聖なむすび目も腰にある
(口をひらけば不自然な違和感もおきてくる)
神がつかわすロープは言葉となって腰にまかれ
(いよいよ大げさな発想が痛みとなってふくらみ)
人間をはじめて精神的な存在へと目ざめさせた
(まるで背中の懐妊といわんばかりの陣痛にかわる)

これからの詩は頭でなく腰がうたうべきだろう
(なんたる背徳の的はずれなつけあがりだろう)
なんとなれば上[かみ]とのむすび目は腰にあるのだから
(腰痛の原因がわかっただけでも気はやすまるが)
すなわちそよ風は糸となって腰にま
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