なないろ、五行歌風/wc
 


夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく
風景に溶ける




”ちかみちはこっち!”
追いかけてくる橙を振り払いながら
ななめになった鉄筋コンクリートの間を駆け抜ける
大人たちの手の届かない所へいこう!
ふたりで




夜空に張り付いた満月と
街灯の下でタバコに火をつける
鋭角の月を夜空の中央に戻すために
ぼくは分度器をとりだして
アスファルトにそっと置く




さわさわとする
みどりが
あすふぁるとに
えがく
かげ

[次のページ]
戻る   Point(10)