とをくうつくしぶ/あらい
 
臍帯の
とおい丘陵地を這いずる
霊魂は旅人 樹の葉の告げを
目覚めたばかりのわたしが懐(おも)う

なにもないという天国
だれが、いますか

顕花植物というおおよそ
陰核の癖だけでも
ぎこちない空気

暗転と争点を骨壷に入れ
妄想ばかりのハラワタが忠実にあるとき
くびれた肉体だけが印象を蛇腹にする
フレキシブルは束縛



あなたは三千世界に花束に



海の傍山の側、すこし背が高く
風が鳥を拵えている
広々とした座敷に柘榴が産(き)る


     わたしがとおりすぎたのは
     今し方のことだが
       たぶん明
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