さびしい蛇/家畜人
 
ながら かけてかけてゆくのです



どこかで煙草を吸いながら
まずしい詩人が詩を書いています
詩人は蛇が好きなのです
いつも蛇の詩を書きます
売れたためしはありません 売れたためしはありません

父さん!父さん!

あぁ、それよりなんて美しい空
蛇がにょろにょろ這う
さびしい そまつな あぁ 楽しさ
楽しさ
父さん!父さん!
僕が泣いています
あぁ、まずしい詩人も泣いています
風にふかれ 病棟の中庭で
生まれてきて すみません すみません
と泣いているのです
泣いているのです



明るい空はとても気持ちよく
心は晴れ
今日も かわいい蛇がにょろにょろ
土の上でたわむれています
そこに さんっ と太陽が照っていました
家族のうら淋しさが照っていました

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